介護福祉業界の経営戦略について(2)

 

介護福祉業界においては、たくさんの社会福祉法人がそのサービスを各地で展開しています。

規模が一定以上のところでは、特別養護老人ホームを主体として、

短期入所や通所介護、訪問介護など多岐に渡るサービスを展開しているという形態が多くみられます。

 

介護保険制度による制約がある中、

 施設への入所待機者が多くいる特別養護老人ホームにおいて、

売上(収入)拡大をすることは容易ではありません。

 

通常、売上拡大を考えるときは、

 

売上=客数×客単価

 

などのように要素に分解して考えますが、

特別養護老人ホームの場合、

 

収入=ベッド数×稼働率

 

で考えることが多いです。

 

ベッド数に関しては、定員を自由に増やすことはできないため、

必然的に稼働率を上げる努力が必要になります。

入院や退所で空いたベッドをすぐに稼働させるため、ショートステイの調整力がポイントです。

しかしながら、もともと待機者の多い状況ですから、稼働率の向上もある程度で頭打ちとなります。

(もちろん稼働率を高いレベルで維持する努力は継続的に必要です)

 

そうなると、収益を上げるには、

 

収益=収入−支出

 

ですので、いかにしてコストを削減するかがポイントになってきます。

サービスの質を落とすことなく、業務の効率化や無駄の排除を図り、

労働分配率や部門(直接・間接)のコストバランスを改善します。

 

変化の激しい介護福祉業界において、次の事業展開に打って出る体力を確保するためにも、

施設の収益性を確保し続けなければなりません。

 

 

(記事:アイ・コンサルティング 経営コンサルタント 谷川宏樹)