介護福祉業界の経営指標について(2)

 

前回、労働集約型産業である介護福祉業界において重要となる経営指標「労働生産性」の

お話しをしましたが、今回は、その親戚のような経営指標「労働分配率」をご紹介します。

当然この「労働分配率」も介護福祉業界において大変重要な指標となります。

 

労働分配率とは、

付加価値を生み出すのにどれだけ人件費がかかったか

言い換えれば、

生み出した付加価値に対する人件費の割合 です。

 

 

労働分配率 = 人件費 ÷ 付加価値

 

 

で表されます。

 

 

前回の「労働生産性」の時と同様、

介護福祉業界の場合は、付加価値=売上(収入)と考えます。

人件費の内訳は、従業員給与、従業員賞与、退職金、役員報酬、

            福利厚生費、教育訓練費、求人採用費などです。

 

この指標は、人件費が適正水準にあるかどうかを確認するもので、

高過ぎれば人件費が収益を圧迫していることになりますし、

低過ぎれば十分な賃金を支払っていない可能性が考えられます。

 

 

この値は、製造業,小売業,サービス業といった、業種によって適正値は変わってきます。

また同じ業種の中でも、例えば施設介護、訪問介護など、業態にもよります。

 

法人全体だけでなく、施設ごと、サービス業態ごとなど

ある程度細分化しても把握すると良いでしょう。

 

 

参考までに、いくつかの業種業態の黒字企業平均はこんなふうになっています。

[TKC経営指標より(平成24年2月決算~平成24年4月決算)]

 

・(小分類業種名) (労働分配率黒字企業平均)

 

・一般土木建築工事業 52.7%  ・金属プレス製品製造業 54.8%

 

・化粧品小売業 53.8%  ・旅館,ホテル 38.1%  ・食堂,レストラン 55.2%

 

・ビルメンテナンス 74.0%  ・美容業 58.4%  ・歯科診療所 60.3%

 

・認知症老人グループホーム 67.6%  ・通所,短期入所介護事業 68.5%

 

・訪問介護事業 72.0%  ・経営コンサルタント業 53.2%

 

 

(記事:アイ・コンサルティング 経営コンサルタント 谷川宏樹)