介護福祉業界の離職率をみてみますと、
全産業の平均と比較して離職率が高い状況にあります。
介護業界の方からの話や、テレビ、インターネットなどでも
「介護の仕事というのは、精神的にも身体的にも厳しい世界であり、
介護の仕事に対して、使命感ややりがいを感じ、高い志を持って
業界に入った人でも、その厳しい現実に耐えられずに離職してし
まうことも少なくない。」
という話を聞いたり、見たりすることがあります。
そう考えると、介護福祉業界の離職率の高さは、介護福祉業界全体の問題であり、
個々の組織の問題ではないのかな、と思ってしまいますが、
実は必ずしもそうとも言えないようなのです。
↓下の表をご覧下さい。↓
離職率が30%以上という、非常に高い離職率となっている事業所が約3割程度も
あります。しかし、それによって平均値が引き上げられたということになり、
逆に離職率が10%未満という事業所も実は3割以上あるのです。
つまり、うまくいっている組織はうまくいっており、
事業所によって明らかに格差があるということがわかります。
このようなデータをみますと、
業界の問題というよりは、個々の事業所の運営によって
良くも悪くもなるということになります。
これはある意味、大変嬉しい情報ではないでしょうか?
マクロ的な問題であれば、自分の力で解決するのは非常に困難ですが、
そうでなければ、解決することができそうですよね。
離職率が高くて困っている介護福祉事業者の方も嘆くことはありません。
まだまだ確実に経営が良くなる余地があるわけですから。
(記事:アイ・コンサルティング 経営コンサルタント 谷川宏樹)